郵便局がない国
はっきり言おう。スウェデーン郵便局システムに未来はない(と思う)。
現在スウェーデンには切手を売ったり郵便小包を発送したりできる郵便局はない。
これは2002年に試行された政策で、今まで郵便局が取り扱っていた郵便貯金事業と郵送サービス事業をわけることによってこのような事態が引き起こった。
簡単に言うと、郵便貯金事業は今までどおり郵便局で行われるが、郵送サービスは全て周辺のスーパー等へ委託されたというわけだ。
ということで、今まで切手を買いに、または荷物の引き取りにアパートから歩いて3分ほどの郵便局へ行っていたが、この制度変更の後は、歩いて6分のスーパーへ荷物を取りに行かなくてはならなくなった。
どうして自分の荷物を郵便局までとりに行かなくてはならないのか。それはスウェーデンでは郵便受けに入らないとみなされる大きめの荷物は全て自分の足で郵便局の窓口までとりに行かなくてはならない。それが制度変更以前は郵便局だったのが、この変更の後は、近くのスーパーになったというわけだ。
しかしここにも問題があった。
自分の郵便小包を引き取りに行くスーパーが近くの(郵便業務を引き受けている)スーパーか?といったらそうでない。昔住んでいた私のアパートの近くには、徒歩1分のところに大きなスーパーがあったが、そのスーパーは委託業務をやっていないので、代わりに歩いて6分ほどの郵便委託業務をやっているスーパーまで取りに行かなくてはならなかった。
これでも結構不満だったのに、今回の引越しでさらなる不満が爆発寸前だ。
実は今度引っ越してきたアパートの近くには、歩いて2分ほどのところにスーパーがあり、そのスーパーは郵便業務をやっている。このあたりを見渡すと、このスーパー以外に郵便業務をやっているスーパーは見当たらないので、当然私への郵便小包の引渡しはこのスーパーになるだろうと安心していた。今までの徒歩6分のスーパーに比べると、徒歩2分はかなりいい。
しかしその日はやってきた。
小包が届き、いつものように郵便受けに「引渡し証」なる紙が入っていた。そして取りに行くべきスーパーの名前を見ると!!!!
なんとここから歩いて10分以上もかかる(13分でした)駅前のスーパーの名前が記されていた。
私は一瞬このことが信じられなかった。目の前には郵便業務をやっているスーパーがある。
そして仮にも昔荷物を受け取りに通っていたスーパーもここから徒歩5、6分のとこにはある。
なのに、どうして徒歩10分以上も離れたスーパーに荷物を取りに行かなくてはならないのか!
健康で比較的若い(笑)私ならまだいい。このエリアにはたくさんのお年寄りが住んでいるが、彼らも目の前に荷物を扱っているスーパーがあるというのに、わざわざ歩いて10分以上のスーパーにつえをついて取りに行かなくてはならないということか?!歩行器を押していかなくてはならないということか?!
こんな簡単なこと小学生でもわかる。地図を開いて、一番近いお店はどこだと小学生にきいたら、すぐにここから歩いて1、2分のあの店を指差すだろう。だれもここから遠く離れた徒歩で10分以上のスーパーを指差す子供はいない。
まったく郵便局をなくしただけでなくて、理解しがたいことをやってくれる。だから郵便局をなくしてしまったんだろうけど(これだけでも十分おかしい)。
この改革事業は南スウェーデンからゆっくりと1年ぐらいの時間をかけて、北スウェーデンのほうへ次々と進められて行ったが、ストックホルムに改革の波が押し寄せたとき、ストックホルムの人たちは「何てえ改革だ」と怒ったそうだ。そこで言った郵便局側の言い訳。
「でも南スウェーデンではうまくいっているんですよ!」
だれもそんなこと言ってない!はじめっから怒ってるわい!!
2002年の11月中旬、郵便局のトップが辞めさせられた。
どうでもいいから郵便局、返してほしい。
2002.12