Studenten

 

 6月上旬、あなたはスウェーデンの各地で派手な車を見かけるだろう。だけどそれは決してスウェーデンでポピュラーな車というわけでも、スウェーデン式乗り方でもない。だって車に木の枝とか積んじゃっているんだもん。

そして注目すべきは車だけでなく、それに乗り込んでいる若者達。男の子はスーツなどの正装、そして女の子達は白いワンピース(丈は非常に短め)、たまに頭に白い学生帽のようなものをかぶっている。

 その派手な車やトラックに乗り込んだ若者達はけたたましい笛や雄たけびなど、とにかく注目を集める音を出しながら町中をゆっくりと移動する。

 この時期は、車じゃなくても白いワンピース(やっぱり丈は非常に短い)のお姉ちゃん達が白い帽子を頭に、町を闊歩している。お姉ちゃん達といっても、年齢は私より一回り以上も下のお姉ちゃん達だ。かなりボリュームがあり威勢がいい。

 私の調査によると、主に大きい町でこの若者の“仮装車乗り回し大会”が多くみられるようだ。確かにジャガイモ畑の間や森の中を笛を吹きながらがんばっても、注目するのは鹿ぐらいだろう。

 

 さてこれらの騒ぎの正体は・・・というと、高校を卒業した(もしくは卒業見込みの・・・もしくは卒業できなくても卒業年齢に当たる)若者達のパーティーなのだ!

 それはそれはすごい騒ぎだ。昔の日本で言うなら元服にあたるのだろうか、今までは子供であってこの日から大人になる、そんな区切りの時期でもある。

 たしかにスウェーデンでは高校を卒業するとともに親元を離れる若者が多い。今は住宅難も重なって仕方なく親と一緒に住んでいる若者もいるが、たとえ同じ市内の大学に行くにしても、多くの若者が両親の家からでて学生寮、または(アパートがゲットできた場合は)彼や彼女と住むのが一般的のようだ。

 そう考えると、やっぱり今まで「親と住む」という基本的なスタイルがガラリと変わるわけなので、人生の大きな、そして初めての節目といっていいだろう。

 町を行く彼らを見ているととにかく楽しそうである。大人になる自由を満喫しているのだろうか、私の18歳といったら大学受験に失敗し浪人が決まり、その前にあわてて田舎で運転免許をとっている、なんかぱっとしない、楽しいこととは縁もないような暗い18歳の思いでしかないのだが(苦笑)

    

 念のため、「変な車の展示会」ではない。

 この時期はスーパーの掲示板にも「車を貸します」の広告が目に留まる。でもこんな変な車、普段はどこで何をしているんだろう・・。

    

 しかしこれらを撮っている私も私だ(笑)。

   ←小さい頃の写真を乗せているのもよく見る。

  ←そんでもってパーティーの会場だろうか。アンジェリカさん、おめでとう!(笑)

 昔お世話になった先生の話によると、隣の家の息子は単位が足らずに卒業できなかったのに、そのお宅の両親は盛大なパーティーを開いて、studentenをお祝いしたそうだ。パーティーを開きたいものが開けばいいだけのことなのだ。

 高校卒業でこんなにすごいパーティーをやるんだから大学はもっとすごいのでは?と考えるのは普通だろう。しかし私の知っている限りではそれはそれは地味で、何もせずに仕事を始める人も多い。

 日本の大学とは違いスウェーデンでは、在学中にもかかわらず職を見つける人もいて(みんながみんなというわけではない)、その場合はコースが終わらなくてもいきなり仕事を始める場合もあり、みんなで卒業!といった決まった時期や決まったコースがないのもその理由だろうか。それともそのころになると人間も落ち着いてくるということだろうか。

 とにかく大学卒業時のパーティーはどこかでひっそり行われているようである。

 色んな条件はあるものの、とにかくこの時期の彼らの顔はこれからやってくる夏への喜びも重なって、本当に楽しそうで(その騒音さえなかったら)見ているほうも若くみずみずしい時期を思い出させてくれる。

 これを書いている今も、外からはクラクションの派手な音がさっきから絶え間なく聞こえてきている。

 (studentenの写真、もっと見たい人はこちら)

2003.06.02

 

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