アメリカは広かった〜初めての交通事故〜

 

   アメリカに・・行こうと思ったことは、実は一回もない。

 今回アメリカ:ユタに行ったのは、一年間の留学を終えて帰ってくる妹の手伝いをするため&ちょっとだけロス観光のためだった。

   なんというか・・私は小さい町をじかにちょこちょこ歩くのが好きで、アメリカはそういうイメージではなかったのだ。

 実際にアメリカは、私が困ってしまうほどだだっ広かった。

 いんやぁ・・本当にアメリカは・・歩けない。

   ユタ

 妹が住んでいたのはユタ州。いわゆる田舎だという(私はよくわからんが)。

 そこに友人とアパートをシェアして住んでいた。

 今回日本に帰るにあたって、色々な荷物を友人に分けたり、電話の解約など諸雑用があった。

   特に書くべき事もないが、私がビックリしたのはスーパーの大きさ。

 とにかくばかでかいスーパーの床から天井まで食べ物が積んである。

 ローファットポテトチップスも日本の5倍ぐらいの大きさだ(いくらローファットでもその量で太りそうな感じ)。

 とにかく物が高く積んであり過ぎて、私には簡単に商品が取れないくらいに高い山だった。

 買い物の仕方もすごい。

 カート一杯に食べ物を詰めてガンガン買っている。もちろん食べ物も安い。

 あんだけ食べればレジに並んでいる前の家族の子供も、こんなおっきいお父さんのようになるのねぇ・・。

 大きくなれよぉ・・という暖かい視線を送るのが精一杯だった。

   当然ここでもビールを買うのだが、身分証明書の掲示を求められる。

 世界中どこに行っても対応は一緒だ(あ、日本は別ね)。

   初めての交通事故

 その日は妹がレンタカーを借りて運転し、私達は色々な用事を片づけた。

 夜7時過ぎ、モーテルに泊まっていた私は近くのセブンイレブンに食料買い出しに出かけることにした。

 妹は一日運転していたので疲れてすでにベットでうたた寝をしている。

   私はモーテル受付のおばちゃんにセブンイレブンの場所を確認し(そんなに遠くなかった)出かけた。

   アメリカの歩行者用信号機は赤に変わるのがめちゃめちゃ早い。

 どうしてこんなに早いんだろう・・と思いながら、ちょっと先に見えるセブンイレブンを見ながら思っていた。

 私のわたるべき横断歩道の信号が青に変わった。

 私は歩き出した・・が、そこに左折してきた車がいた。

 私は不思議に思った。その車は妙にスピードが出ていて、今私がわたっている横断歩道の前でとまれるのかい?という速さだったのだ。

 と思ったときには、私はその車とぶつかっていた。

   でもね、正確に言うと、ぶつかるときにちょっとだけ考えた。

 このままバカ正直にぶつかると力が全部私の所に来て痛いぞ。

 だったらこのあたる力を何かに変えなくては、と思い、ぶつかった瞬間に私は飛んだ。

   飛んでいる瞬間にもちょっと考えた。

 このまま道路に倒れると顔からいくぞ。

 顔からザザーーって行くと痛いよ。

 そうだ・・柔道とかでよく見かける受け身だ!受け身!!

   そして私は上手く(やったこともない柔道の)受け身をとった!

   多分今より若かった私だから出来たんだろうなぁって、今となっては思う。

   ひき逃げ事件発生

 私が上手く受け身をとって、飛ばされたもののそれほど打撃は受けなかった。

 しかしさすがにビックリしている(私がね)。

 私は私をふっとばした車を見た。

 車はキキキーーと止まった。

 「ああ、助けに来てくれるんだぁ」

 ・・と思った次の瞬間、車は逃げるように発車した。

 「え?これって・・ひき逃げ?」

 私は道路によの字で倒れたまま車のあまりにも冷たい反応にビックリしていたが、このまま倒れていても今度は後続車にひかれる可能性があると、立ち上がり、歩道に非難した。

 とにかく自分が無事なのかどうか確認しなくては。

 今はただビックリしているので、どこも痛くはなかった。

   すると後ろから赤いトヨタがやってきて

 「あなたっっ!大丈夫なの!!!あなた飛んだわよ!!」

 「ああ・・ああ・・OK」

 「私達があの車つかまえてくるから、ここにいなさいっっっ!!」

 「おお・・おお・・OK」

   親切な赤いトヨタのお姉さんとお兄さんが、私をひき逃げした極悪人をつかまえてきてくれると言う。

 私はわけがわからなかったけど、とにかく今すぐにモーテルに走って帰れる様子ではなかったので、ちょっとだけ待った。

 すると5分後ぐらいに、さっきのお姉さんたちが私をひき逃げした悪者を連れてきてくれて、同時に携帯電話で警察と救急車を呼んでくれていた。

 なんていい人たち。

 きっとアメリカはこれでつり合いがとれているのねぇ・・。

   すぐに救急車が来て警察もやって来てひき逃げ犯に事情聴衆をはじめた。

 このへん対応早いねぇ・・さすがアメリカ。

 テレビで見ている通りだよ(感心)。

 ちょっとは見習ってくれ、スウェーデン(これは置いておいて・・)。

   私はまだぼーぜんとしたまま救急車の中で検査を受ける。救急救命士(っていうの?アメリカも)が私の血圧や脈、そして足の打った箇所を見る。

 「何だか映画みたい・・」

 とボーっとしたまま言うと

 「ははは。じゃあ僕はブルースウィルスかい?はっはっは」

 みたいな冗談をかまされた。

   警察のお姉さんが極悪ひき逃げ犯人に事情を聞いていたが、どうやら彼は「いや〜。暗くて見えなくてねぇ」などといっていたようだ。

 あんた・・暗かったって、私をひいた後、一回止まったやん!!

 そして確認した後に、発車したやん!!

 (とは言ってないが・・言えばよかった・・反省)

   警察のお姉さんは私がどこのモーテルに泊まっているかを聞き、私がそこで妹が待っていると告げると妹を連れに行った。

 しまったぁ!!

 妹は人一倍寝起きが悪い。

 そんなときにアメリカの警察が入ってきて「あなたのお姉さんが事故に・・」なーんていうと、きっと死んだと勘違いするわ。

 やっばーーと思ったときには、妹はもうすでに半泣き状態でパトカーから降りてきた。

   ここは一発ギャグかましておかないと、と私は「受け身とったんよ〜」なんて自慢話をしておいた。

   これから病院に運んで精密検査をするという。

 事故の場合は、その時ピンピンしていても、打ち所のせいで後から危険な状態になることがあるという。

 その検査というものが、私の人生の中で一番恥ずかしい検査だった。

   一通り検査が終わり、今日は帰ってよろしいということになった。

 打った部分が結構腫れてきたので氷枕のような物もくれた(湿布という物はないらしい)。

   私達はタクシーでモーテルまで帰り、近くのマックで遅い夕食を夜12時にとった。

 長い食料買い出しの旅だった・・。

   ロス

 次の日は朝からロスへ移動だった。

 幸い歩くこともできて、右手などは自由に使えたので、荷物も運ぶことが出来た。

   ロスでは特筆すべき事はない。

 だたバスとかに乗っているときがこわかったなぁ。・・なんとなく。

   初めての交通事故をアメリカで経験するとは思わなかった。

 アメリカは訴訟天国。

 上手くやれば数億ドル稼げたのになぁ・・なんて今になって思う私だった。

 

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